伝統と革新が交差する、城のようなアパートメント「将軍城」

デザイナー杉良明が描く、日本の美と新たな価値

都市の変遷を見守り、再開発が進む地域に位置するアパートメント「将軍城」。そのデザインは、現代の城のようにも見える。この特別な空間は、デザイナー杉良明によって創り出された。

駅からわずか6分の距離に立つこのアパートメントは、四方を一望できる100平米以上の屋上バルコニーを持つ特別な部分を城の塔と見立て、隣接する和室をその城主、つまり「将軍」の特別な部屋として活用している。

この和室に無限の深みと物語を生み出すため、杉良明は国宝絵巻の現状保存に携わる4人の画家に壁と天井にオリジナルの絵を描いてもらった。2日間でスキャンと転写が完了し、それぞれのユニークなオリジナルの絵と壁面には4人の画家たちのサインと印が押され、物語に命を吹き込んだ。

杉良明は、麻紙、天然鉱物顔料、金箔などの伝統的な素材を使用して、壁紙、珪藻土、畳、石膏ボード、照明、木材、襖などの主要な素材を選び、独特の日本の微妙さを表現した。この「将軍の部屋」は10平米、全体の床面積は97.80平米に及ぶ。

このプロジェクトは、2019年5月に始まり、同年9月に福岡で完成した。東京オリンピックまであと1年という時期に、杉良明は日本の美とリノベーションの魅力を世界に示し、次世代に残したいと考えた。

和室の魅力を再考する機会を創出し、その固有の価値を高める方法について、杉良明は様々な問いと答えを交換した。自然光の美しさを活用し、和室以外の生活空間を無機質な空間にし、豪華な和室との対比によって両方の空間の魅力を高めた。

そして、この「将軍城」は、2021年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザイン賞の鉄賞を受賞した。この賞は、プロフェッショナルで産業要件を満たすように設計され、実用的で革新的な創造物に授与される。業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yoshiaki Sugi
画像クレジット: Image #1#2#3#4#5 Photographer Marie Yoshinaga, uruphoto
プロジェクトチームのメンバー: Oldgear, Yoshiaki Sugi, Kouta Iwatani, Yoshihisa Sugimoto, Tomomi Nakanishi, Tomi Kamiya, Grand Printing Co., Panasonic living kyushu co., Uruphoto
プロジェクト名: Shogun Castle
プロジェクトのクライアント: Yoshiaki Sugi


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